「わからなさ」を楽しむ数学教師の挑戦。

主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)を教師も実践!公立定時制高校の教務主任です。

【臨時休校】授業の遅れはどうする?【授業実践】

小学校では3月の1か月分の授業の遅れが心配される。

 

私からの提案は、「遅れ」ではなく「生徒が自分で学習するチャンス」だということ。

 

多くの教師は、

「教師が教えないと生徒はわからない。」

という思いを持っている。

 

しかし、みなさんは、学生時代教えてもらったことを覚えていますか。

おそらく数学、英語、歴史・・・ほとんど覚えていないだろう。

 

逆に、人は「自分で見つけた・わかったことは覚えている」のだ。

この3月の休校期間を「生徒が自分で発見する」にすればどうだろうか。

 

mathteacher.hatenablog.com

 

詳しくは以前のブログを参考に。

 

それでも、内容の定着に不安がある人も多いだろう。

授業の遅れ対策として、次の2つの方法を考えてみた。

 

(1)新年度に毎時間、復習として学ぶ

(2)応用を通して基礎を学ぶ

 

それぞれを見ていこう。

 

(1)新年度に毎時間、復習として学ぶ

 

新年度の各授業で最初の5分間を復習の時間とする。

そこで、この3月に学ぶべきだった内容を学ぶのだ。

 

1時間の授業時間を圧迫していまうが、

細切れにして、重要ポイントだけを絞って学んでいく。

 

(2)応用を通して基礎を学ぶ

 

この方法は(1)みたいに定期的に復習をするわけではない。

 

算数(数学)は積み上げの教科だ。

前から持っている知識・技能の上に新しいものが重なっていく。

 

例えば、小学校4年生の算数で「直方体と立方体」という単元がある。

小学校5年生の算数には「体積」がある。

 

(2)の提案では、

今回、授業ができなかった「直方体と立方体」の内容を

「体積」の内容を学ぶときに「学び直し」できるようにするのだ。

 

体積の問題を考える中で生徒から

「直方体ってなんやったけ?」という声がでるだろう。

 

そこで教師が丁寧に教えるのではい。

代わりに4年生の教科書を持たしておく。

 

そうすると、生徒は自分で教科書を開けて、

「あ!直方体ってこんなやつか。」と学べるのだ。

 

「応用(体積)を通して、基礎(直方体と立方体とは何か)を学ぶ」ということ。

 

これは私の普段の授業でも同じ。

 

定時制高校に在籍している生徒はいろいろな背景を持っている。

基礎学力の定着が課題の一つだ。

 

基礎をゆっくりとやるのではなく、基礎を「活用」する応用問題を準備して

基礎的な内容の学び直しをねらっている。

 

今回の休校期間の授業の遅れもそうではないだろうか。

 

今回授業で扱えなかった内容を、次の単元で「学び直し」をする。

そのような授業のデザインをしてはどうだろうか。

 

幸い3月に時間はできた。

「応用を通して基礎を学ぶ」ような授業を考える時間はあるはずだ。