「わからなさ」を楽しむ数学教師の挑戦。

主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)を教師も実践!公立定時制高校の教務主任です。

【授業実践】双子素数って知ってる?生徒のうれしそうな顔にほっこり。【数学A】

数学Aの素数の授業にて。

 

授業のデザインはこうだ。

 

1.冬休みの宿題から作成したオリジナルプリントを配布。

(こちらは以前のブログに詳細あり。

https://mathteacher.hatenablog.com/entry/2020/01/10/074943

2.1から50の間の素数を書き出す。

3.29×47を計算。

4.1517は何×何か、考える。

5.3と4から素数のかけ算は簡単だが、分解は難しいことを実感させる。素数は暗号で活用できると学ぶ。

6.素因数分解の問題を解く。

7.今日学んだことの自作問題を作成し、仲間と解き合う。

 

活動5で、素因数分解の問題をグループで交換して出し合う活動をしていた。

 

こんな場面があった。

 

生徒Aが139を書いて、生徒Bに渡した。

生徒Bは素因数分解できるか、考える。

 

生徒B「え??これ素因数分解できへんやん。」

生徒A「じゃあ素数かな?」

生徒B「先生。これって素数?」

 

ここで私は、「スマホで調べてもいいよ」とだけ言う。

 

生徒B「(スマホで調べる。)双子素数やって!」

生徒C「なんなん、双子って?」

生徒B「139やったら137と。107と109みたいな。139は11番目の双子素数らしい!」

 

このタイミングで私は、黒板に「139って双子素数らしい」と書く。

 

他のグループの生徒もこれに気づく。

 

生徒D「双子ってなんなん?」

教師 「3と5は双子やな。」

生徒D「じゃあ5と7もやな!」

 

そして、授業のまとめで再度、問題を交換して解き合う。

 

生徒Dは「1~50までの双子素数は?」という問題を生徒Eに渡す。

 

生徒E「(いくつか書く。)こんだけなん?先生。」

教師 「どうかな~。」

生徒E「調べていい?」

教師 「いいよ。」

生徒E「うわ。まだあった。てか、双子素数が永遠に存在するかって未解決問題やって。すげー。公式もあるやん。」

 

生徒Eはとてもワクワクした顔をしていた。

そして、授業終了。

 

生徒Eはよく「数学嫌いやー」と言っている。

その生徒が双子素数に対して、とてもワクワクしていた。

 

その姿に感動した。

 

他の生徒も休み時間に最大の素数を調べていた。

 

生徒F「最大の素数ってこんなんらしいで。見つけたら懸賞金もでるみたい。やってみよかなー。」

 

生徒G「5501は素数?」

教師 「どうなん?」

生徒G「1の位が1で3じゃ割れんかったから、素数やと思う。」

 

こうやって、授業が終わっても自分から学ぼうとする姿がうれしい。

活動5で素数の有用性を少なからず実感できたから、自分で調べて学ぼうとしたのではないか?

 

「わからなさ」こそ、生徒を真に輝かせる。

 

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ウィキペディアWikipedia)によると、双子素数は「差が2である二つの素数の組を構成する各素数のこと」を言うらしい。

ちなみに、本校は校内に携帯電話・スマートフォン持ち込み可の学校。