「わからなさ」を楽しむ数学教師の挑戦。

主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)を教師も実践!公立定時制高校の教務主任です。

【教師の読書】『眠る投資』で眠りの質を高める。

『眠る投資』を読んだ。
 

眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法 | 田中奏多 |本 | 通販 | Amazon


最近、寝不足気味。睡眠の質を高めるためだ。

学びは次の3つ。

①よい睡眠をつくるには、日中の活動が大事。
②朝に味噌汁を飲むとよい。
③毎日やることを決めておく。


①について。
意識がない睡眠中にできることは限られている。
 
普段の仕事や生活が意欲的に楽しくなっていると、
睡眠の質も高まる。
 
そして質の高い睡眠が、
日中の活動の質を高める。
 
そのサイクルを早くつくっていきたい。


②について。
トリプトファンからセロトニン(別名:幸せホルモン)がつくられ、
セロトニンからメラトニン(睡眠ホルモン)がつくられる。
 
トリプトファンは肉、魚、卵、豆、乳製品といった
タンパク質に含まれている。
 
朝に味噌汁をのむ。
すると、トリプトファンをとれるだけでなく、
体内時計リズムと体温リズムが整う。


③について。
脳の意思決定の回数を減らしたい。
 
例えば、朝起きて
すぐにカーテンを開ける
口をすすぐ、
帰宅して家に帰ってきて、
すぐに洗濯機に服を入れる
など、毎日やることを無意識にできるようにしたい。
 
 
明日から、味噌汁を食べよう!

【教師の読書】『齋藤孝式 学ぶための教科書』で学び方を学ぶ。

齋藤孝式 学ぶための教科書』を読んだ。

齋藤孝式"学ぶ"ための教科書 ~必要な「思考力」「判断力」「表現力」が身につく! | 齋藤 孝 |本 | 通販 | Amazon


学び方を学ぶためだ。

ポイントは次の3つ。


ソクラテスは他社との対話で学んでいた。

②知識を咀嚼して、自己表現することが大事。
③判断力をつけることがこれからの社会で必要。

それぞれの理由を見ていく。


①について。
ソクラテスは、他者に問いかけ続けることで

学んでいた。

 

無知の知」という言葉の通り、

他者に問いかけて、

「自分は何もわかっていない」ということを

認識していた。

 

他者に問いをするためには、

常に頭の中に「?」を用意しておくこと

が大事になる。

②について。
知識を教えるだけではいけない。

 

授業で生徒が知識を使いながら、

自分で考えを表現するような場をつくる。

 

たとえば、

こう考えてました

のように自分の考え方を説明することが

自己表現の一つになるだろう。

 

また、大人も

表現すること(アウトプット)を続けていきたい。


③について。
何か問題が起きたときに、どう判断して、対処していくか

が大事になる。

 

そのためには、

一問一答でなく、答えがたくさんある問いを

考えるようにする。

 

あるいは、

普段から、このようなときはこうしよう

と想像をしておくことをしたい。

【教師の読書】「アート思考」を学ぶ。問いを持つって大事。

『13歳からのアート思考』を読んだ。

 

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考 | 末永 幸歩 |本 | 通販 | Amazon


ポイントは次の3つ。

①アート思考がこれからの世の中で大事になる。

②探究の根を育てる。

③問いそのものを生む人になる。

それぞれの理由について。

①について。

アート思考とは、

「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、

「自分なりの答え」を生み出し、

それによって「新たな問い」を生み出すこと。

 

人の真似でなく、

自分で問いを生み続けることが大事である。

②について。

アートを植物に例えると、

「表現の花」「興味のタネ」「探究の根」

という3つになる。

 

タネを見つけて、根を深くはることが重要。

 

花を育てることばかりに目がいくと、

次の花を育てたれない。

 

地面の下に根をはっていると、

何度でも新しい花を咲かせられる。

 

自分の興味のタネは?

 

仕事においては、授業づくりや生徒理解(支援)、

同僚性の構築、そして学校づくり。

 

そこに根をはって

何度でも花を咲かせられるようにしたい。


③について。

①とも少し関わる。

今までは答えを求めるだけの社会でよかった。

しかし、これからは「問い」を生み続けることが大事。

 

授業をしていても、

「なんでうまくいったんやろ」や

「これはどうしたらよかったんやろ」

「こうしたらどうなるかな」と

常に新たな問いを持ち続けていきたい。

 

【授業実践】正の数と負の数。マイナス×マイナスはなぜプラス?【正負の計算】

1学期の授業の振り返りシリーズ。
 

「一番印象に残った授業(または活動)」について生徒は言う。

 

・マイナス×マイナス=プラスを説明しようという授業が印象に残っています。みんなの考え方がそれぞれ違うのでおもしろかったです。

・小学生に-×-=+になることを教える問題で、いろいろな答えがでてきて結構おもしろかった。

 

他のアンケートにも、

「マイナス×マイナスはなぜプラスになるのかを小学生にもわかるように説明する」

問いが印象に残っていると記述があった。 

 

実際の授業の記録を見てみる。

中学校1年生の数学「正負の数」の内容でもあるが。

 

生徒たちは、

「マイナス×マイナスはなぜプラスになるのかを小学生にもわかるように説明する」

という問いに対して、大いに悩んでくれていた。

ある生徒はこう説明をしてくれた。

 

「マイナスは喧嘩が強い人。

そんな人が二人いて喧嘩したら、お互いを認め合って仲良くなってプラスになる。」

 

おもしろい考えであった。

他の生徒は笑っていた。

 

また、別の生徒はこう言っていた。

 

「嫌いな人はマイナス。嫌なことが起こることもマイナス。

嫌いな人に嫌なことが起こると、プラスではないか。」

 

これに納得している生徒がたくさんいた。

他にも生徒それぞれに自由な考えが生まれていた。

 

どうしても数学は、正しい答えを出す、機械的に計算するだけになりがち。

 

だからこそ、生徒が自分の考えを

自由に表現できるような問いを与えることが大事になるのではないだろうか。

 

【授業実践】1次方程式を逆説的に学ぶ!文章題から基礎的な問題へ。

先日の数学の授業にて。

 

1次方程式の内容だった。

 

授業の指導案、デザインを少し工夫してみた。

次の3つの問題を順番に提示して生徒に考えてもらった。

 

(1)文章問題

太郎さんと花子さんがミスタードーナツに行きました。

太郎さんはドーナツ5個と120円のジュースを4つ

花子さんはドーナツ3個と100円のパイを6つ

買いました。

太郎さんと花子さんの支払った値段は偶然にも同じでした。

 

このとき、ドーナツ1個の値段は?

ただし、どのドーナツも同じ値段とする。

 

(2)

6xー3=3x+12

 

(3)

2xー8=0

 

この順番に生徒に考えてもらった。

 

まず(1)では、

文章題を私が音読して、内容をききとる。

そして自分で問題を把握して、式をつくっていく。

 

支払いが同じだから

太郎のお金=花子のお金

という方程式にできることにたどり着くまでに

少し時間がかった。

 

そして方程式の計算でも

「全然わからへんー」と困り顔。

 

わからないところをみんなで共有しながら、

何とか次の問題。

 

(2)では、(1)の計算を踏まえて

何とかこたえがだせた。

 

そして(3)。

今日の問題では一番簡単な内容だが、

「え?むず!」「今までと違うやん!」といった声が。

 

この反応がおもしろい!

 

そしてやってみると

「やった!できた!」

「今日、調子いいわ!めずらし!」

ととてもうれしそう。

 

授業のデザインをあえて、

難しい→易しい

にしたことで、

生徒の「わかった!」につながった

そんな授業だった。

 

生徒の学びはとてもおもしろい!

こういう研究授業でもおもしろいかも。

【教師の読書】「フツーの学校」を増やしたい。

『できちゃいました!フツーの学校』を読んだ。

 

できちゃいました! フツーの学校 (岩波ジュニア新書) | 富士晴英とゆかいな仲間たち |本 | 通販 | Amazon

 

学んだことは次の3つ。


①目的を共有すると行動が変わる

②自己ベストの更新をみんなが目指す

③学びを教えるから、創造する学びを引き出す

それぞれの理由を見ていく。


①について。

宝仙学園のダンス部では、校則ならぬ部則がある。

 

顧問の先生が決めたものではなく、

部員たちが話し合って決めたものである。

 

毎年新入部員が入ってくると、

先輩が後輩になぜこのルールがあるのが

説明をするようだ。

 

たくさんある部則(70項目ほど)の目的を

生徒たちが理解しているからできることだ。

 

私が指導している卓球部で、

先輩が後輩に私の言った練習方法や打ち方を説明していることがある。

 

そのときに、

「こうやってやるんよ」とただ押し付けているだけになっている。

 

私が「何のためにこの練習やるの?」

と聞いても答えが返ってこない。

 

私の普段の指導がよくないのだろう。

 

ただ打ち方、練習を教えるのでなく

何のためにやっているか、目的を共有したい。

 

②について。

学校にいると、ついつい相対評価になりがち。

 

そうではなく、

一人一人の生徒がどう変わったか、何をできるようになったか

自己更新ができているか

という視点で生徒をみることができれば、

どの生徒にも適切な支援ができそう。

 

③について。

素敵な教育者は同じことを言う。

 

教えるのでなく、

学びをプロデュースする役割に徹していきたい。

 

そういった考え方をできる仲間を増やしていきたい。

 

 

以上になります。

 

宝仙学園のような素敵な学校がフツーになる日がくるといいな。

 

 

 

【部活指導】ポストコロナの部活動指導。卓球部編。

久しぶりの公式戦―

 

先日、今年度初めての公式戦でした。

卓球部の部員たちの引率をしていて、考えたことがあります。

 

新型コロナウイルス感染拡大対策として、

いつもとは違う形で、試合が行われました。

 

対策の一つは、「試合中、ベンチコーチによるアドバ イスの禁止」です。

 

卓球の試合では、選手にベンチコーチ(顧問 や他の生徒)がつくことができます。

 

そして、 1セットが終わるごとに、コーチが具体的なアドバイスをします。

ベンチコーチのアドバイス で、試合結果が変わるとも言われるくらいです。

 

今回は、試合中に選手にアドバイスができません。

 

ではクイズです。

そのような状況で、納得のいく試合ができたのは、次のAさんとBさんのどちらでしょうか。

 

Aさん...練習から自分のプレーを客観的に分析 している。

うまくいかなかったことに 向き合い、改善するための練習を自分で考えている。

 

Bさん...何も考えずに自分がやりたい練習を毎 日繰り返している。

自分の弱点に向き合えず、試合を想定した練習ができていない。

 

答えはすぐにお分かりだったかと思います。

 

いいプレーができたのはAさんです。

 

部活動でも、授業でも、

「うまくいかない自分 (弱点、わからなさ)と向き合い、乗り越えるために行動できる人」を育てたいです。

 

そのためには、生徒が「自分で気づく」場面 を用意して、

「自己決定」をさせることが大事に なるのではないでしょうか。

 

例えば、練習の様子をビデオカメラで撮影して、動画を生徒に見せる。

 

そして「練習の様子 を見て、何か気づくことはない?」と声をかけ、

生徒に「ここがおかしい」と自分で気づかせる。

 

部活でも授業でも、生徒の気づきや自己決定を引き出したいなと思った一日でした。