「わからなさ」を楽しむ数学教師の挑戦。

主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)を教師も実践!公立定時制高校の教務主任です。

【授業実践】指数関数のおもしろさ2。「わからなさ」が次の「わからなさ」を呼んでくる。【数学Ⅱ】

数学Ⅱの授業実践。内容は指数関数。

 

前回の続きだ。

https://mathteacher.hatenablog.com/entry/2020/01/21/215600

 

授業のデザイン・指導案(2時間連続)は以下の通り。

 

【導入】

1.前時で生徒が作った問題を生かし、指数の振り返りをする。

 

【展開】

2.指数法則や累乗根の計算をする。

3.数の大小関係を比べる。

 

【まとめ】

4.自作問題(数学ラブレター)を解き合い、本時の振り返りをする。

 

では生徒の学びを見ていこう。

 

まずは、1.の前回の復習。

 

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ある生徒が、8のー3乗が2だと言い出した。

 

前で説明してもらうと、

他の生徒は「あ~なるほどな。」と一定の理解を示す。

 

指数の-と分数がごっちゃになっているのだろう。

「でもさぁ・・」と他の生徒が説明をすると、

納得をしたようだ。

 

授業の開始から、最高のスタート。

 

展開2.では指数法則を使って解くことになる。

 

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あるグループでは、指数の計算がわからない生徒がいたよう。

隣の生徒が、指数法則の説明をしていた。

 

「もし3の2乗と3の3乗をかけるやったら・・3の5乗になって・・・

実際に計算してみると・・・」

というように、ただ計算方法を説明するだけでなく、

「なぜか?」にまで落とし込んで具体例で説明していた。

 

その姿に生徒たちの成長を感じて感動。

 

次の計算でも大いに熱中した。

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という問題に対して、答えが25と125の2通りの答えが生徒から出てきた。

 

そこであえて、間違ってる生徒に前で共有してもらった。

 

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その生徒は、このような式を書いた。

 

「だって、5が3つで5の3乗やん。3分の1と3分の2で3分の3やん。だから125。」

「あ~なんかわかる気がする~笑」

こうなると生徒たちはもう夢中。

 

私のことなど無視して、黒板の前で「あーだこーだ」話し合う。

 

途中で、

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「私はこれで5が1個消えるのがよくわからんねん。」

と言い出し、どんどんわからなさが登場。

 

「うわ~どれやろ~。」

「25?125?あれ???もう一回計算したら5になった!笑」

「やばい。3つもある!」

 

休み時間も関係なくずっと考える。

その結果、なんとか25で納得したようだ。

 

この素敵な時間は、一人の生徒が恥ずかしがらずに

自身の「わからなさ」を共有してくれたことからスタートした。

 

そこから、次の「わからなさ」とつながり、考えが深まっていった。

「わかった」はそこで終わりであるが、

「わからなさ」はどんどんつながりを生むのだ。

 

他には、

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の計算を、指数に直さず累乗根のまな計算していた生徒が、

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「この問題では、さっきの方法使えへんな・・」と考えていた様子がGOOD。

 

展開3.の数の大小問題では、まず以下のような問題を提示。

 

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「全部2にすることに意味があると思うねん」

「分数とマイナスってどっちが大きい?」

「私、分数きらいやー!笑」

といったつぶやきも。

 

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最後の問題では、

「これ、このままか、2に戻すかどっちがいいやろ?」

と試行錯誤する場面も。

 

どのような場面でも、生徒は「わからなさ」と出会い、向き合い

じっくりと考えることができるようになっている。

 

次の授業も楽しみだ。