「わからなさ」を楽しむ数学教師の挑戦。

主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)を教師も実践!公立定時制高校の教務主任です。

【授業実践】指数関数のおもしろさ。細胞分裂や星の明るさともつなげる。生徒の多様な考え方に感動。【数学Ⅱ】

今日は数学Ⅱの指数関数。

 

授業のデザイン・指導案(2時間連続授業)は次の通り。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【導入】

1.雑誌ニュートンの記事から、細胞分裂を通して指数関数が爆発的に増えることを学ぶ。

2.「お年玉をAさんとBさんのどちらか一人からもらう。毎年10万円くれるAさんと1年目は2万円、2年目は4万円、3年目は8万円くれるBさん。10年後はどちらからもらうのがいいか?」を考える。

3.2の0乗から、2の-1乗、2の-2乗を考える。

 

【展開】

4.指数の計算問題を考える。

5.累乗根の計算(2の2分の1乗×2の2分の1乗、2の3分の1乗×2の3分の1乗×2の3分の1乗)を通して、累乗根を学ぶ。

6.1等星は6等星の何倍の明るさかを求める。

7.累乗根の計算問題を考える。

8.指数関数のグラフをかく。

 

【まとめ】

9.自作問題を仲間と解き合う活動を通して、本時の内容の振り返りを行う。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

この中で、感動した生徒の学びを見ていく。

 

展開4において。

 

「1/125って意外と0より大きいいんやで」

という気づきをしている生徒に感動。

 

他のグループでは「答えが4こ出てきた!」という声が。

 

f:id:math-teacher:20200120233306p:plain

という考えのようだ。

「どれなん?先生」と聞いてきたので、

「どれでもいいよー。」と答えた。

 

すると、「あ!これか!」と

f:id:math-teacher:20200120233441p:plain

との関係性に気づいたようだ。

 

生徒たちの自然な思考の中で指数法則の学び直しができる。

ここを結びつけできるか、教師の支援のポイントになる。

 

また、別のグループでは、

f:id:math-teacher:20200120235858p:plain

と計算している生徒がいた。

 

グループの他の生徒が指数法則で計算していたので、

「見てごらん」と教師がつなげると、

「えー!!すごい!!!!」と感動していた。

 

「違い」があることでの学びだろう。

 

「どっちがいいん??」

「数が大きくなると指数のままの方がいいかも」

と問題を通して、指数の有用性をつかんでいるようであった。

 

展開5において。

2の2分の1乗や2の3分の1乗を考えた後に、ある生徒が

「4の2分の1乗やったら・・・」と「問い」を自分自身に立てて考えていた。

 

他にも「6の2分の1乗、4の4分の1乗やったら?」とつぶやいていたので

「4の2分の1乗、6の2分の1乗、4の4分の1乗」

を問題として、みんなで考えることとした。

 

すると、

「6の2分の1乗=3なん?」

「3やったら9やん」

「そうか!」

と、自分の「わからなさ」を他の人の「わからなさ」とつなげることで「わかる!」になる場面に出会えた。

 

また、ある生徒が「2の3乗根、この3はなんなん?」と困っていたので、

「(2の4乗根)の4乗は?」と私がつなげた。


すると、

「あ!そうか!左上の数は、何回かけたら元の数になるか?っていうことか!!」と

「わからなさ」を共有し、教師が考える余白を残すことで自分できづくことができた。

 

展開6において。

f:id:math-teacher:20200120234234p:plain

1等星は6等星の明るさの何倍かという星の明るさの問題。


 ある生徒の

f:id:math-teacher:20200120234457p:plain

という考えを共有した後、

「あ!そうか!5回かけてるから100倍か。」

と答えからさらに気づいたようであった。

 

展開7において。

f:id:math-teacher:20200120235249p:plain

が「わからない」と、ある生徒が言った。

 

前で説明していた生徒は、

f:id:math-teacher:20200120235352p:plain

の3つを書いて「どう?」と尋ねる。

 

その生徒は、「まだわからへん。」と言うので、さらに考えて

f:id:math-teacher:20200120235506p:plain

を書き加えた。

 

「あ!そうか!」と理解したようだ。

生徒同士でしか伝わらない文脈があることを学んだ。

 

 

この2時間、生徒の学びにとてもワクワクした。

やっぱり授業っていいな。

そう思えた1日であった。