「わからなさ」を楽しむ数学教師の挑戦。

主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)を教師も実践!公立定時制高校の教務主任です。

【授業実践】直方体と三角錐。やはり、空間図形はおもしろい。【数学Ⅰ】

数学Iの空間図形の授業。

今日は直方体。

 

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教科書では、いきなり三角形AFCの面積を求めているが、少しアレンジをした。

 

(1)AF、FC、CAの長さは?

(2)cos∠AFCの値は?

(3)三角形AFCの面積は?

(4)点Bから三角形AFCに垂線BIを下ろすとき、BFの長さは?

 

それぞれの生徒の様子を見ていく。

 

まず、(1)にて。

中学校でもよく似た問題をしているのだろう。

「あれな。2乗のやつな。」と言いながら、三平方の定理を使って解いていた。

 

生徒の中には、親指と人差し指を使って、友達に説明しているものもいた。

 

AFだけを求めてペンが止まっている生徒がいたので、声をかけた。

「だって、辺ないやん!」

 

なるほど。

CDやFGの長さは図に書かれていない。

 

私は「この立体って直方体やんな?」とだけ言う。

「あ!そうか。四角形か。」と気づいたようた。

 

次の(2)では、余弦定理を使う。

 

ここでもおもしろい声が。

 

「cos∠AFCってAFCがcosより大きいってこと??」

なるほど。∠が<に見えたようだ。

 

すばらしい見方である。

 

全体的な生徒の学びを見ると、2つのことが見えてきた。

 

・2つの辺と間の角という関係がなかなか定着していない。

・角度の大きさとcosの値の区別がついていない。

 

この2つの点は、これから問題を考える中で定着するようにしたい。

 

(3)は、スムーズにできていた。

そして、(4)ではいい顔が見れた。

 

ある女子グループでは、自分で考え、時には仲間と助け合いながら(3)まで順調に学べていた。

 

(4)では「高さがない。高さがない。」とブツブツ言っていた。

 

「もー無理やー。」と諦めそうになったときに、私がグループに関わる。

 

教師 「どうしたん?」

生徒 「先生、だってさ、高さないやん。だらできんねん。……向きとか変えてんけど…あ!そうか!体積か!!!」

とてもいい顔だ。

 

以前読んだ『ベスト・パートナーになるために』という本には、

「女性は自分の言葉で語る中で、問題解決の糸口を見つける」とあった。

 

今回の生徒はまさにそのような状況である。

 

私に自分の考えを語る中で、自分自身で発見したのだ。

 

自分で見つけることの喜びは何事にも変えられない。

「自分で見つけたことは忘れない」だろう。

 

比較的難しい問題であった(4)でも諦めずに考え続けることができた生徒は、前半の(1)〜(3)でしっかりと理解ができた生徒たちだった。

 

生徒が諦めない「よし、ちょっとがんばって考えてみるか!」となる課題設定、授業デザインを心がけたい。