「わからなさ」を楽しむ数学教師の挑戦。

主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)を教師も実践!公立定時制高校の教務主任です。

【授業準備】「見通し」と「振り返り」を!その1【新年度に向けて3月にしたいこと】

新年度に向けて3月にしたいこと。

授業について考えてみた。

 

初任者の先生や若い先生,研修担当の先生にもぜひ。

 

NHKで放映中の「奇跡のレッスン」にて,

デンマークハンドボール指導者ソーレン・シモンセン氏は,

ある中学校の授業を見てこう言った。

 

「この授業を行う意味を子どもたちはわかっていますか」

 

ソーレン・シモンセン氏が見た授業では,生徒が「見通し」を持たず,

「振り返り」を行う機会がなかったのだろう。

 

私は,自分の授業を「見通し」と「振り返り」の視点で見つめなおした。

その結果,「見通し」と「振り返り」を生かす場面は大きく3つあると考える。

生徒,授業,単元の3つだ。

 

今回は単元での「見通し」と「振り返り」を考えてみる。

 

単元の最初の授業で,ゴールを示したい。

単元の最後に考えたい課題を示すことで,生徒に「見通し」を持たせるのだ。

 

例えば,数学の「図形と方程式」の内容。

学習指導要領数学編によると,

「数量と図形との関係などに着目し,日常の事象や社会の事象などを数学的に捉え,コンピュータなどの情報機器を用いて軌跡や不等式の表す領域を座標平面上に表すなどして,問題解決に活用したり,解決の過程を振り返って事象の数学的な特徴や他の事象との関係を考察したりする」という思考力,判断力,表現力等を見に付けることとある。

そこで,単元のゴールとして次のような課題を考えてみた。

 

ある工場では,2つの製品AとBを製作している。AとB,それぞれ1万円の利益を生むのに必要な時間と人手は次の表の通り。時間 人手製品A 2時間 2人製品B 3時間 1人 しかし,この工場では,1日あたり12時間,人手は8人までしか使えない。1日の利益の合計を最大にするには,AとBをどれだけ製作すればいいか。

 

この課題を生徒に最初に示す。

単元の最後にこの問題を考えるときには,

生徒は自分の変化を実感でき,自己肯定感や自己学習能力が高まることだろう。

 

そして,単元全体の「振り返り」として,

生徒との「数学交換日記(自学ノート)」を実施したい。

 

自学ノートには,毎回の授業の「ラブレター」を残しておく。

一元化できるプリントにしてもいい。

 

加えて,生徒は授業の復習をノートに行う。

復習として,生徒に何通りかの方法を提示しておく。

 

次の4つの方法が考えられる。

①教科書や問題集の問題を解く,

②公式の証明を自分で考える,

③わからないことを書きだし自分で納得解を書く,

④自分で問題をつくり解くの4つだ。

 

生徒が「自己決定」をすることで,家庭学習の習慣をつくりたい。

家庭学習の積み重ねが「生涯学習」の土台となるのだ。

 

定期考査のたびによい取り組みのノートを共有し,

生徒同士がメンターとなることで,集団づくりに生かす。

授業づくりは学級(集団)づくりだ。

 

続きは次回。