「わからなさ」を楽しむ数学教師の挑戦。

主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)を教師も実践!公立定時制高校の教務主任です。

【授業準備】「見通し」と「振り返り」を!その2【新年度に向けて3月にしたいこと】

新年度に向けて3月にしたいこと。

授業について考えてみた。

 

初任者の先生や若い先生,研修担当の先生にもぜひ。

 

NHKで放映中の「奇跡のレッスン」にて,

デンマークハンドボール指導者ソーレン・シモンセン氏は,

ある中学校の授業を見てこう言った。

 

「この授業を行う意味を子どもたちはわかっていますか」

 

ソーレン・シモンセン氏が見た授業では,生徒が「見通し」を持たず,

「振り返り」を行う機会がなかったのだろう。

 

私は,自分の授業を「見通し」と「振り返り」の視点で見つめなおした。

その結果,「見通し」と「振り返り」を生かす場面は大きく3つあると考える。

生徒,授業,単元の3つだ。

 

前回はこちら。

mathteacher.hatenablog.com

 

 

今回は授業での「見通し」と「振り返り」を考えてみる。

 

授業では,最初に本時のゴールを示す。ある生徒は次にように言っていた。

 最初に課題を言うことによって,今日は何をするのかをわかるのでとてもやりやすい。

 

毎回の授業における「見通し」の大事さがよくわかる。

そして,授業の「振り返り」は「数学ラブレター」だ。

本時の学習した内容で自作問題を作成する。

 

その問題を解き合い,授業の内容を生徒主体で振り返ることをねらいとしている。

『「力がついた!」と思える活動はどれとどれでしたか。それはなぜですか。』という授業アンケートに,生徒は次のように書いていた。

・自分で問題をつくる活動。自分のわからないところを見つけるこができたし,わかるところは説明を丁寧にしようと思い,より深く考えられたから。

・数学ラブレターのみんながつくった問題を解くのは,できないところがよくわかっていいなとおもいました。

・グループ活動と問題づくり。わからないところを教え合えて,問題をつくることで理解が深まるから。

このような生徒の声からも,「振り返り」で生徒の力がつくことがよくわかる。

 

そして,いい問題を次の授業の導入で復習として活用する。

生徒の「振り返り」が授業と授業の「のりしろ」となるのだ。

 

しかし,「問題づくり」ができないような授業内容もある。

例えば,1時間でじっくりと難易度の高い内容に取り組む授業。

そのような授業では,「振り返り」が曖昧になっていた。

 

そこで,問題づくりができない場合は,

「わからない」ことを「見える化」する「数学ラブレター」に取り組ませたい。

 

授業を終えて,「わからない」ことを具体的に記述させるのだ。

「わからない」ことの表現の方法は,「なぜ~なのか」「どのように~すればいいのか」を用いる。

このねらいは,「ツァイガルニク効果」にある。

「わからない」を残したまま,授業を終えることで,次の授業につながる。

生徒の中には,自分で調べて納得解を考えてくる者もいるだろう。

 

そして,生徒の「わからなさ」を次の授業の導入に生かす。

「なぜこの式を使うのかわからない」といった生徒の「わからなさ」を復習の問題とする。

この方法でも授業と授業の「のりしろ」ができるのだ。

「のりしろ」でつながった授業は,単元の構想の中でこそ生きてくる。

 

続きは次回。