「わからなさ」を楽しむ数学教師の挑戦。

主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)を教師も実践!公立定時制高校の教務主任です。

【授業実践】データの分析。分散と標準偏差。計算より大事なこと!【数学I】

数学I、データの分析。

 

今回のメインは次のような問題。

 

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モバイルバッテリーを買いに行くという場面設定。

A社とB社の製品で、充電回数が違う。

 

この2つのデータ。

平均値と中央値と最頻値はどれも500になるように設定している。

 

最頻値を520として、最大値と勘違いしているいい間違いも。

 

「こんなにバラツキあったら、品質改善してもらわなアカン!」といった声が聞こえてきて、しめしめ。

 

この生徒は自分で箱ひげ図を書いて考えたようだ。

 

計算には少し苦戦しつつも、最後には

A社の標準偏差が5√2

B社の標準偏差が10√2

と計算する。

 

標準偏差求めたけど、これで何になるん?」

生徒の言う通り。

 

ここで終わらないのが大事。

教師から問いを追加する。

 

「ここの標準偏差の単位って何やろ?」

 

この後から、再び生徒が考えだす。

 

「単位は回?」

 

標準偏差が何を意味してるかわからへん。」

「いいところと悪いところの差が2倍ってこと?」

 

標準偏差を見たら、散らばってるか散らばっていないか、わかるやん。」

「A社のやつはオールマイティーで、B社のやつは良いのも悪いのもある。」

 

標準偏差が大きいとバラツキが大きいってことやろ。」

 

この自分で考える時間が大事。

 

分散や標準偏差の計算はExcelでもできる。

大事なのはその後。

 

出てきた値が何を意味しているか?

それを考えることはExcelにはできない。

できるのは自分の頭だけ。

 

データの分析は、計算よりも計算結果をもとに自分なりの根拠を持って考えること。

これが大事だと、生徒の学びから学んだ次男であった。