「わからなさ」を楽しむ数学教師の挑戦。

主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)を教師も実践!公立定時制高校の教務主任です。

【教師の仕事術】教務主任の仕事で大事にしたいこと

4月から、はじめて「教務主任」になる先生も多いのではないだろうか。

私は、6年目(27歳)のときから教務主任をしている。

 

教務主任って何?という方に向けて少し説明を。

 

学校教育法施規第22条の3(3)には次のようにある。

 

校長の監督を受け,教育計画の立案その他の教務に関する事項について連絡調整及び指導,助言に当たる。

 

また、施行通達の留意事項(2)イには次のようにある。 

校長の監督を受け,当該学校の教育計画の立案・実施・時間割の総合的調整,教科書・教材の取扱い等教務に関する事項について教職員間の連絡調整に当たるとともに,関係教職員に対する指導,助言に当たるものであること。

 

学年主任や生徒指導主任などは、自身の学生生活を振り返ってもイメージがしやすい。

しかし、教務主任は「縁の下の力持ち」といった役割。

 

自分の経験から、仕事で大事なことを考えてみよう。

 

本校の教務主任の主な仕事は次のようなもの。

 

・年間行事予定、月間行事予定の作成。

・時間割の作成。

・教員の授業の待ち時間の調整。

・生徒の在籍のとりまとめ。

・教育課程編成のとりまとめ。

・教科書採択のとりまとめ。

・入試業務のとりまとめ。

・学校の広報活動。

・校務システムの確認。

・校内研修の企画、運営。

 

主なものは以上。

 

直接生徒と関わることは少ない。

 

 しかし、教務主任の仕事は、

・正確性(ミスがない)

・スピード(締め切りを守る)

が求められる。

 

正確性とスピード、この2つは大いに関連がある。

 

大抵、締め切り前に慌てて用意したものにはミスがある。

余裕を持って取り組む、チェックもできミスがなくなる。

 

余裕をもつためにどうするか。

私は次のようなことを心がけている。

 

・締め切りの3日前をめどに、自分だけの締め切りをつくる。

・仕事には予備日をつくり、緊急のことに対応する。

・多くの人が関わることから仕事の優先準備をつける。

・隙間時間に「緊急ではないが重要なこと」をしておく。

・昨年度の資料の日付を先に変えておく。こうすると、頭の中に準備ができる。

 

うまくいけばどんどん楽しくなるはず。

いっしょにがんばろう。

 

【教師の読書】『伝える力』で発信力をさらに高める。

もっと「発信」したい。

 

そのために、もっと学ぶ。


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学びをまとめる。

 

①読み手が自分事となる表現にする

②カタカナ言葉を減らす

③使う表現にきをつける

 


①について。

自分事にして周りを巻き込みたいから。

 

例えば次のような表現。

 

JR東海は、のぞみを増発することにしました」

よりも

東海道新幹線を利用しているみなさん、のぞみの本数が前より増えることになりました」

 

「当社は画期的な商品を発明しました」

よりも

「当社が発明した商品を使うと、貴社には〇〇のよいことがあります」

 

の方がいい。

 

私の実践報告で考えてみる。

 

「授業をこうすればうまいきました」

ではなく

「授業を変えると、生徒がこう変容します」

とした方が、読み手を自分事と捉えるのではないか。

 

②について。

書くとき、話すとき、どちらでも「カタカナ」言葉を

無意識に使ってしまうから。

 

カタカナ言葉の代わりに、同義語を探してみる。

 

伝わるはずだと決めつけず、

言葉を大事にしたい。

 

 

③について。
以下の言葉を使わない。

 

・そして、それから

・順説の「が」

・ところで、さて

・いずれにしても

 

普段から使う言葉に目を向ける。

 

 

もっとできることがある。

学び続けたい。

【教師の読書】『できる人は、3分話せば好かれる』から、夢を学ぶ。

周りの人にいい発信をしたい。

 

そう思って読んだ。

 

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学びは次の3つ。

 

①「時間」と「空間」のイメージを持つ。
②具体を持って相談する。
③接続詞を大事にする。

それぞれを見ていく。
 

①『「時間」と「空間」のイメージを持つ』について。
坂本龍馬西郷隆盛といったリーダーは、「100年後の日本」を考えていた。
 
私もそういう思いを持ちたい。
 
「10年後の市全体」
「20年後の日本の数学教育
を考えて日々行動していく
 
自分の周りを大事にした上で、
「時間」と「空間」を広げていく。
 
 
②「具体を持って相談する」について。
ノープランで相談することがないようにする。
 
例えば、
「AとBで迷っています。
Aのメリットは〇〇、Aのデメリットは〇〇。
Bのメリットは〇〇、Bのデメリットは〇〇です。
Aがいいと考えていますがどうでしょうか」
と具体的に相談する。
 
そのためには、事前に自分で思考することが大事。
 
 
③「接続詞を大事にする」について。
特に反対意見をもらったとき。
 
反対意見をもらったら、すぐにムッとしてしまう。
まずは、相手を認める。
 
そのあとに、
「その上で」「たとえば」「いずれにしても」
という接続詞を使う。
 
こうして、周りの人と共鳴したい。
 
自分のやりたいことを貫く。
そして、周りの人には感謝を忘れない。
 

【教師の読書】『文章力の基本』で発信力を上げる。

もっと伝わる文章を書きたい。

 

その思いからこの本を読んだ。

 

https://www.amazon.co.jp/文章力の基本-阿部-紘久/dp/4534045883

 

学びは以下の通り。

 

①日常の言語生活の中で自然に身につけた言語感覚を頼る

②文の幹の形をシンプルにする

③1語でも、1字でも短くする

 

それぞれを見ていく。

 

①「日常の言語生活の中で自然に身につけた言語感覚を頼る」について。

「てにをは」の使い分けに迷う。

 

例えば・・

誤 仕事を一生懸命取り組む。

正 仕事に一生懸命取り組み。

 

誤 世界に、ここでしかないマグロ

正 世界で、ここにしかないマグロ

 

このように、「てにをは」の使い方は難しい。

とても分厚い文法書を手元に置いて書くことは、現実的でない。

 

自分の言語感覚を高めるしかない。

本物の文章にたくさん触れて、感覚を高めたい。

 

②「文の幹の形をシンプルにする」について。

一文をシンプルにしたい。

 

主語と述語の関係を意識したい。

特に文が長いとき。

 

おかしな関係になっている。

書いてから、読み直す癖をつける。

 

 

③「1語でも、1字でも短くする」について。

シンプルな文を書きたい。

 

自分の書いた文を見ると、無駄が多い。

 

例えば・・

誤 オリンピックが開催されることで・・・

正 オリンピックが開催されると・・・

 

このような場合、「こと」は省略できる。

同じ言葉が重複しないように、気を付けたい。

 

文章力を向上させるため、本物の文章にたくさん触れたい。

このブログでも、もっと伝わるように。

【教師の読書】『結局うまくいくのは、礼儀正しい人である』を読んで、自分の日常を見直す。

最近、順調に読書をできている。

 

https://www.amazon.co.jp/CHOOSE-CIVILITY-結局うまくいくのは、礼儀正しい人である-P・M・フォル二-ebook/dp/B07XSYK3F6

 

今回は、『結局うまくいくのは、礼儀正しい人である』を読んだ。

 

重要なことは次の3つ。

 

①自分の弱さを認めることが大事。
②謝罪は慎み深い行為。
③問題解決に焦点を当てる。
 
①「自分の弱さを認めることが大事」について。
 
弱さを認めたい。
 
「自分が間違っているかもしれない」と考える力
「わからないことをわからない」と認める力
は私も身につけたい。
 
そして、授業をしている生徒たちにも身につけてほしい。
 
②「謝罪は慎み深い行為」について。
謝るときこそ、きっちりと誠意を示したい。
 
「すみません。私の間違いでした」
と心をこめて頭を下げることをしたい。
 
そうすることで、謝罪が次の成功へとつながる。
 
③「問題解決に焦点を当てる」について。
最近、愚痴っぽくなっていたことに気づいた。
 
問題が起きたときに過去に目を向けると愚痴しか出ない。
その問題をどうやって解決するかを考えることで
前を向いて行動していける。
 
この本を読んで、自分の誠実さが足りていなかったことに気づいた。
気づくことができてよかった。
 
明日から、誠実に行動していきたい。

【授業実践】「わからない」と言えるようになるには?【算数・数学の授業】

ウォルト・ディズニーの名言集に次のものがある。

 

All you’ve got to do is own up to your ignorance honestly, and you’ll find people who are eager to fill your head with information.

正直に自分の無知を認めることが大切だ。そうすれば、必ず熱心に教えてくれる人が現れる。

 

これは人生の学習の仕方を教えてくれている。

 

小さい子供は、周りの大人に

「なんで○○なの?」と自分の「わからない(無知)」を聞きまくる。

 

しかし、小学校、中学校、高校と進むにつれて、

「わからない」を言わず、黙ってノートを書いている生徒が増える。

 

これはなぜだろうか。

 

ディズニーが言うように、「わからない」と言える人は、

一生学んでいけると私は考える。

 

数学の授業を通して、「わからない」を発信できる生徒を育てたい。

この1年間授業をしてきた。

 

生徒たちの生の声やアンケートから、

「わからない」と言える生徒を育てるために大事なことを考えてみる。

 

まずは、今年度初めて私が担当した生徒たちの授業アンケートから。

 

「数学の授業中にわからないと言うことができる」への好意的な回答は、

年度当初42%から年度末88%と大きく上昇した。

 

次に、「数学を通して学んだこと」として生徒たちは次のように書いている。

 

「本当に数学が苦手で高校でもできないと思っていたけど,

ただ解いて黒板を写す授業じゃなくて,

グループになって友達にわからない問題を教えてもらったり,

自分がわかる問題を教えたり今までなら,”わからない”でつまずいていたけど

”わかならい”を”わかるまで教え合う”授業だったから,

時間がかかっても少しずつ理解できて,楽しかったです。」

 

「わからないことをしっかりと質問することや,

わからない,難しいと言うことが大切だと学んだ。

小中学校ではわからないと先生に言わずに諦めていたけれど,

高校ではわかるまで取り組もうという前向きな気持ちで授業を受けれました。

みんながわからないと言うことで,一人じゃないんだと安心し,

ゆっくりと問題に向き合えました。」

 

なぜ、生徒はこのように変容できたのだろうか。

「わからないと言えるようになった理由」を生徒に聞いてみた。

 

【課題について】

・ちょうどいい感じの問題やったら,わかる人とわからない人のバランスが良かった。

・簡単な問題は班の人に聞かなくてもできましたが,難しい問題があるとコソッと友達に「教えて」と言えました。

・解けへんようには作られてないから,自分でとけへんのやったら聞いて「教えてもらえばいい!」って思うようになった。

・急に難易度が上がる問題が出題されたとき。

・応用レベルの問題を解いたりするから。

 

【授業の構成について】

・先生が一方的に教えるような授業体制ではなく,問題を置きそこからヒントを出したりしてわからないで終わらないようにし,グループで話し合い,そのわからない点を共有し,考えて答えを導き出していたから。

・先に解き方を教えるのではなく,自分たちで最初から教えてやる。

 

【グループや学級について】

・グループになることで,誰が理解できているかわかるし,聞きやすい。

・友達(班のメンバー)がわからないところを理解し,そこを自分もわからなかった場合,いっしょに考えていたので言えるようになったのかな?って感じです。

・グループにすることにとってすぐに聞けるから。

・グループで「わからない」と言うことで誰かが教えてくれるから。

 

【教師の働きかけについて】

・生徒自身に考えさせていた。

・先生の声からがあるからとてもわからないって言いやすい。

・先生がほとんど説明をしないので,誰かに「わからない」と言うことをしないとわからないから。

・「わからないこと言えよー!」とか言ってくれるから。

・先生が「どこがわからないのか」「この人がわかってないから教えて」など具体的に声かけをしているので,どこがわからないか言いやすい。

・わからないって言わないとみんな理解したって認識されて授業がどんどん進んでいってずっとわからないままだけど,わからないと言ったらわかる人が教えてくれるからわからないって言えるようになりました。

・先生に聞こうとすると,班のわかっている人に聞いてみ?って言うところ。

・「どう?」「わかる?」って聞いてもらえる方が「勉強せな」って思えるし.わかるまでかまってくれるから「わからん」って言いやすい。

・先生の「わからないとこがあれば友達に聞いてみよう!」というのが「わからない」と言える一つのきっかけになったと思います。

・先生が最初から,答え,やり方を教えないというので,自然にわからないことを友達に教え合うというのが生まれたのでよかったと思います。

 

【その他】

・わからんかったところがわかったときに褒めてくれるから素直に言える。

・わからないとき,知りたい気持ちが強くなる。

・わからんままほっといたらずっとわからないままやって思ったときから,「うわ!これ何?意味わからん」ってなったときに先生やグループのみんなの顔を見てわからんアピールをしています。そしたら,みんな私の理解力の遅さにめげずに教えてくれて「そういうことか!」ってなったときに自分もうれしいからわからんときはわからん!どういうこと?って聞いたりしています。

 

「わからない」と言える生徒を育てるために大事なこととして次の5つを提案したい。

 

(1)わかるようでわからない問題のレベルを工夫する。

(2)先に教えるのでなく、生徒が自分たちで答えにたどり着くように授業のデザインを工夫する。

(3)小集団(ペア、グループ)での学びの機会を保障する。

(4)教師が「わからなさ」を受け入れる。「わからない」と言えるように声をかける。

(5)「わからない」ことが「わかる」ようになり、喜びを感じる場面を生む。

 

どうだろうか。

子育てや教育に関わっておられる方、企業の方、学生さんなど

様々な方のご意見をいただきたい。

【教師の仕事術】初任者の先生が4月までに準備したいこと。【採用前の準備】

この4月から初めて教壇に立つ先生もいるだろう。

 

緊張の日々を送っているに違いない。

 

採用や初任者研修の前にやっておきたいことや準備ををまとめる。

 

 

(1)自己紹介の練習。

 

4月1日の辞令交付式、職員室での挨拶、初任者研修、入学式、始業式、学級開き、最初の授業など

自己紹介の機会が何度もある。

 

そこで聞き手の印象に残る自己紹介をしたい。

名前の由来、出身、趣味、学生時代の部活などが一般的か。

 

これは、内容を考えるとともに、ぜひ鏡の前で話す練習をしてほしい。

 

 

(2)「育てたい生徒像」を頭に抱く。

 

私の場合は、

「思考のプロセス(わからなさ)と向き合い、

ギャップ(え?なんでなん?)を大事に、

生涯学びに向かう力を備えた人」

を数学を通して育てたいと考えている。

 

これは自身の授業で必ず必要になる。

育てたい生徒像がゴールになり、

ゴールからの逆算で日々の授業を行うからだ。

 

考える際は、自身の受けてきた授業のことを一度忘れる。

そして、学習指導要領をもとに考えることをオススメしたい。

 

 

(3)TPPOに相応しい服や靴を用意する。

 

社会人としてTPPOを意識した身だしなみ、ファッションを心がけたい。

 

TPPOとは

T・・・Time(いつ)

P・・・Person(誰と)

P・・・Place(どこで)

O・・・Occasion(何をする)

のこと。

 

例えば、入学式や始業式のときのはきっちりとスーツに革靴。

球技大会のときはジャージにスニーカー。

 

それぞれにあった服装や靴を用意したい。

 

スーツや革靴は同じものを連続して着用することを避けたい。

2〜3着を用意してローテーションすることを勧める。

 

 

(4)手帳とメモ帳を持つ。

 

私は、6年目まで持っていなかった。

手帳はもちろんのこと、メモ帳が大活躍している。

 

思いついたことを手帳に書き留める。

そのメモを組み合わせて、文章を書く。

 

詳しくは以前の記事をご覧いただきたい。

 

mathteacher.hatenablog.com

 

 

(5)インプットとアウトプットを兼ねたノートを持つ。

 

1冊のノートが私の「学び」ノートだ。

1ページを左右半分に分け、左には研修や講演などのインプットを書く。

そして、右側には気づきや考えたこと、私ならこうしたいというアウトプットを書く。

 

このアウトプットが何より大事。

 

詳しくはこちらを。

 

mathteacher.hatenablog.com

 

ノートに学びを一元化することで、自分の思考の変化を実感することができる。

私は2年前からこのノートを初めて、今で10冊目になった。

 

 

(6)体重計を買って毎日乗る癖をつける。

 

これは私の実体験から。

私は社会人1年目で体重が10キロほど増えた。

 

社会人は、学生時代より運動量が減る。

そして、お酒を飲む機会が増えることだろう。

 

みるみる体重が増える人がいる。

私もその一人だ。

 

やばい!と思って体重計を買ってもときすでに遅し。

できれば4月から毎日体重計に乗り、自己管理の習慣をつけたい。

 

 

以上である。

 

(1)自己紹介の練習。

(2)「育てたい生徒像」を頭に抱く。

(3)TPPOに相応しい服や靴を用意する。

(4)手帳とメモ帳を持つ。

(5)インプットとアウトプットを兼ねたノートを持つ。

(6)体重計を買って毎日乗る癖をつける。

 

ぜひ最高の準備をして、最高のスタートを踏み出してほしい。