【授業】「主体的・対話的で深い学び」の先にあるものは?その2【学習指導要領・臨時休校でしたいこと】
前回の続き。
「主体的・対話的で深い学び」だけに意識がいっていたことに気づく。
では、学習指導要領要領の総則にある「見方・考え方」とは?
「数学的な見方・考え方」とは何か。
数学の学習指導要領によると,
「事象を数量や図形及びそれらの関係などに着目して捉え,
論理的,統合的・発展的,体系的に考えること」とある。
詳しく見る。
数学的な見方は「事象を数量や図形及びそれらの関係についての概念等に着目してその特徴や本質を捉えること」であり,
「数学的な考え方」は,「目的に応じて数,式,図,表,グラフ等を活用しつつ,論理的に考え,問題解決の過程を振り返るなどして既習の知識及び技能を関連付けながら,統合的・発展的に考えたり,体系的に考えたりすること」である。
これを簡潔に考えると,
数学的な見方・考え方とは「事象の特徴や本質を捉える視点を持ち,思考の進め方や方向性を決めること」と言える。
私の授業と比較して考える。
「わからない」と向き合うことは,
「自分がどこまでわかっているか」を客観的に見ることが必要だ。
目の前の問題と自分の現在地の距離を見定め,何が足りないかを判断する。
物事の本質に迫っているのではないか。
また,自己決定による対話によって,学びが「自分事」となる。
「自分事」となることで,思考の方向性を決めるのだ。
数学的な見方・考え方が表れている生徒の声を紹介する。
・人に聞かれて,教えるのは難しかったけど問題を解いているとき,「何でこうなるんやろ?」と心の中で自分に説明しながら解く癖がつきました。
・数学を通して,目の前のことに対してどうやって解くのか思考力がついた。
・数学は元々苦手だが,数学を通して様々な角度から物事を見るという考えが身に付いた。
・数学は苦手だ。覚えるよりも物事の理解を大切にする授業だからだ。しかし,あるとき,数学とは対照的な社会でつまずいてしまった。原因はとりあえず一時的に単語を覚えただけで「理解をする」という最終地点に達していなかったからだということに数学を受けることで気づくことができた。
「わからなさ」と向き合い,自己決定による対話を生かして,
「わかる」ようになる中で,「数学的な見方・考え方」が育まれた生徒もいた。
これは私が意図的に行ったことではない。
偶然,生徒の中から出てきた声だ。
再び,学習指導要領に立ち戻る。
「数学的な見方・考え方を働かせ,数学的活動を通して,数学的に考える資質・能力を育成する」と書いてある。
では、「数学的に考える資質・能力」とは?
次回に続く。