「わからなさ」を楽しむ数学教師の挑戦。

主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)を教師も実践!公立定時制高校の教務主任です。

【授業のアイデア】英語と数学は同じ?

今日は英語科の同僚との会話で気づきがあった。

 

「ことばは文脈の中でしか意味を持たない」
ここから、私の思考が始まった。


「数式は文脈の中でしか意味を持たない」


こう表現してもいいのではないだろうか。


英単語を暗記しているだけでは意味がないように、
公式を暗記しても問題解決に役立つとは言えない。


いつ、どのように使うかが大事になる。


これは数学的な「見方・考え方」を鍛えることで
身に付くはず。


「本質を捉え、思考のベクトルを決める」ためにも、
数式を使う文脈が必要である。


教師が用意する「実生活とつながる課題」や
帰納的」な授業デザインで文脈とする。


「出力型」のラブレター(振り返り)や
仲間からの「わからない」という声も
適切な文脈となっているはず。


他にも文脈を考えていきたい。

 

教科は違っても学びの本質は同じ。

いい一日だった。

【休校延長】学校現場で4月の間にしたいこと【緊急事態宣言】

臨時休校が続く。

 

生徒が来ない時間が増える。

これをチャンスと捉えてみる。

 

4月に職員研修を行うのだ。

 

内容は、

「学習指導要領から定期考査を作成し、授業をデザインする」

ことだ。

 

次のような計画をしている。

 

【研修1回目】

①学習指導要領の進級比較対照表に付箋を張りながら読み込む。

 付箋には自分ができていないことへの指導方法を書き込む。

②教科書に付箋を張りながら、実際の指導を考える。

③具体的な設問をもとに定期考査を作成する。

 

【研修2回目(1週間後)】

①宿題として、定期考査を作成してくる。

②定期考査をお互いに解きあい、意見交換をする。

③もらったアドバイスをもとに、修正を加える。

 

【研修3回目(1週間後)】

①修正した定期考査をもとに毎回の授業デザインを考える。

②授業は腹八分目にする。

 

このような3回での研修はどうだろうか。

 

もちろん、教師も在宅勤務、テレワークの可能性がある。

その場合はオンラインなどの方法で行いたい。

 

せっかく準備の時間ができたので、

このチャンスに1年間分の定期考査を作成したい。

 

それが最高の授業準備になる。

学校再開後の授業の遅れや、学力保証にもきっとつながるはずだ。

 

今できることを精一杯やりたい。

【休校延長】授業の遅れをチャンスに変える課題【緊急事態宣言】

休校中の授業の遅れが心配される。

 

そこで、授業の遅れを「チャンス」に変える課題を用意した。

紹介したい。

 

課題のポイントは生徒が「自己決定」をすることだ。

 

数学の課題である。

生徒は「内容」と「学び方」を自己決定する。

 

「内容」は、1学期に学ぶ予定の単元を一覧にして書いておく。

生徒は自分で学びたい単元を決めて取り組む。

 

大事なのは「学び方」。

 

家庭での数学の学び方を4つ提示したい

 

①教科書や問題集の問題を解く。

②公式の証明を自分で考える。

③わからないことを書きだし自分で納得解を書く。

④自分でつくった問題を解く。

 

生徒は、「内容」と「学び方」を自分で決定する。

 

自分で決定したことには責任が生まれる。

責任を持つことで「自分事」になる。

「自分事」になると本気で学ぶ。

 

ただのドリルではなかなか「自分事」にならない。

 

「自分事」として取り組むことで、定着度合いが変わるだろう。

 

そして、この課題の「チャンス」は学校再開後に訪れる。

 

課題から抜粋して「オリジナルテキスト」を作成するのだ。

 

実際に授業で学ぶときに、仲間のつくった「オリジナルテキスト」が手元にある。

授業中も、より「自分事」として学べるはず。

 

課題の工夫で「チャンス」になる。

ぜひ実践してみてほしい。

【教師の仕事術】雰囲気のいい職場の秘訣【新年度の異動はチャンス】

「雰囲気のいい職員室だね」。

 

4月1日、新年度がスタートした。

 

初任者として着任して8年目。

毎年、新着任の先生に冒頭の言葉を言われる。

 

今年は、教頭先生に言われた。

 

「雰囲気のいい職場」づくりに大事なものは何だろう。

秘訣を考えてみた。

 

(1)多すぎず、少なすぎずの職員数

 

勤務校は43人の教員(管理職含む)がいる。

この数がいいのではないだろうか。

 

同じ市立の高校では、100人前後の教員が勤務している。

100人もいる学校では、1年間ほとんど会話をしない先生もいるようだ。

 

43人の職員室なので、大きさも程よい。

 

どこでどんな話をしているか、何に困っているかが

ギリギリ聞こえてくるサイズだ。

 

ちょうどよい職員数が秘訣の1つ目と考える。

 

(2)新陳代謝が定期的に行われている。

 

今年は15人が新着任。

3分の1の教員が変わったことになる。

 

これも大事な要因だ。

新しい人は職場の「当たり前」に問題提起をしてくれる。

 

ずっと同じ職場で働いていると、

今ままでのやり方が「当たり前」になってしまいがち。

 

異動してきた人が、「当たり前」を疑い、

「新しい風」を吹かせる。

 

この「風」が職場をよいよく変えてくれるのだ。

 

(3)職員室にいる時間が長い

 

勤務校は狭い。

各教科の準備室もなく、多くの先生が職員室にいる。

 

大きな学校では、各教科に準備室があり、

職員室に人がいないそうだ。

 

職員室にいることで、自然なコミュニケーションが生まれる。

普段からの何気ない関わりが、

より人間関係づくりにつながる。

 

(4)若い先生が多い。

 

異動によって、若い先生が増えた。

職場は若い人のエネルギーに溢れる。

 

私も中堅だ。

先輩としてよい姿を見せようと、仕事に取り組みたい。

 

ベテランの先生も若手にいいアドバイスを送りながら、見守ってくれている。

 

(5)校長のリーダーシップ

 

うちの校長はリーダーシップがある。

なんでも即決。

(少しせっかちだが笑)

 

学校をよくしたいという思いがある。

 

この思いが周りの先生に伝わるから、我々もがんばろうという気持ちになる。

管理職のリーダーシップは何より大事だ。

 

(6)定期的に飲みに行く。

最近は行けていないが、

定期的に飲みに行っていた。

 

学校の先生は車通勤の先生が多い。

しかし、勤務校は交通の便がいい。

 

電車通勤の先生ほとんどで、ふらっと飲みに行く。

 

飲みに行くことが仲が深まる。

こういう機会もやはり大事だ。

 

以上の5点だ。

 

自分の力ではどうしようもないこともあるが、

何気ないコミュニケーションや後輩への気配りなど

できることはたくさんある。

 

いい職場、最高のチームワークで生徒を育てたい。

【教師の読書】『いますぐ書け、の文章法』を読み、早速書く。

「あれ?文章の書き方の本だよな?」

 

途中、タイトルを何度も確認した。

 

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合っている。

文章法を謳っている本だ。

 

しかし、書き方のことが出てこない。

ハウツーが一切ない。

 

それでも、全部読んだ自分がいた。

 

筆者が言いたいことは次の3つ。

 

①文章書きのマニュアルは存在しない。

②読み手の立場にたって書く。

③だからすぐに書け。

 

それぞれを見ていこう。

 

①について。

これが冒頭の驚きの理由。

 

枝葉末節には書き方があっても、根本原理はない。

相手に伝えたいことがあれば書けばいいのだ。

 

筆者が唯一言うのは、

「先人の書いたよい作品、よい文章から学べ」

ということ。

 

すでに書かれたものに、少しだけ「オリジナル」視点が加わればいい。

 

完全オリジナルでなる必要はないのだ。

心の緊張感がなくなった。

 

②について。

どうして①のようなことを書くのか。

 

作者が「相手目線」に徹しているからだろう。

 

文章を書くのは「サービス」。

書いている者の立場を忘れて、読んでいる者の立場からだけを考えて書く。

 

誰に向かって書いているか。

この本の作者は、「書きたい気持ちはある。けど、書けない」で困っている人に向けて

書いてるのだろう。

 

そんなときに「マニュアルはない」と言われると気が安らぐ。

 

誰に向かって書くか。

それが決まれば、内容は自ずと見えてくるのだ。

 

③について。

誰に向かって書くかが決まると、早速書く。

 

いきなり書くのではない。

事前に構想を練っておく。

 

構想を決めた中で筆を暴走させる。

構想という枠組みがあるから、収まる。

 

事前に考えていなかったことがどれだけ書けるか。

これが暴走。

 

ちゃんと読んでもらえる文章にはハードルがある。

そんなもの、書いてから越えればいい。

 

人の文章も読むし、

自分の文章もなんでも読む。

読んで読んでまた書く。

書かないことには修正もできない。

 

これを読み終わったら、あなたも書いて欲しい。

 

「人を変えるために書く」のだ。

体で書く。

頭で書こうと資料を集めるともう終わり。

体力勝負。

レーニング大好きな私にはぴったりではないか。

 

誰に伝えるか。

何をオリジナルとするか。

構想を書き出し、すぐに書く。

筆の暴走を止めない。

書いてから、削っておさめればいい。

内なる他者の目で文章を読んで修正する。

また暴走する。

この繰り返した。

 

文章を書きたくなる。

 

作者は読み手の背中を押してくれた。

 

もう一度読みたい。

その気持ちをぐっと堪え、すくに書きたい。

 

書いて、人を変える。

【教師の読書】「書く技術」を学ぶ。【嫌われる勇気の作者】

書店で1度は見たことがあるだろう。

 

『嫌われる勇気』だ。

古賀史健さんの著書だ。

 

古賀さんの本『20歳の自分に受けさせたい文章講義』を読んだ。

 

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目的は「伝わる文章」を書くため。

 

学びは次の3つ。

 

①いい文章とは、読者の心を動かし、その行動までを動かすこと

②書くことは、考えること

③「自分事」にすることで、納得させる

 

それぞれを見ていく。

①について。

私の「書く」理由と一致する。

 

私は、教育のことを書いている。

読者が、自分の授業も変えようと行動移にすことにねらっていた。

 

必要なことは、自分の思いを知り、それを「言葉だけ」で正しく伝えること。

自分の伝えたいことと読者の求めていること。

思いをどう伝えればいいか。

 

思いを「翻訳」することが大事。

 

②について

書くときにはいろいろな思考ツール(マンダラート、マッピングなど)を使う。

 

自分の思いを「翻訳」しようとする中で、考えることになる。

はじめからわかっていることを書くのではない。

書こうとする中で、自分の考えが整理され新しい発見がある。

 

この経験は私にもある。

授業について書く中で、生徒の声から「原理原則」が見つかってくるのだ。

 

どんどん書いて、どんどん学んでいきたい。

 

③について。

「自分事」にすることは、人を動かす原理原則である。

 

授業でも、自己決定の場面を生むことで、「自分事」にしている。

自分事になると人は本気で動き出す。

 

「説得」ではなく、「納得」を引き出せる文章を目指す。

 

「こうしたら、生徒がこう変わります」という表現で、相手の「納得」を引き出す。

 

以上の3つだ。

この文章がそうなっているかはわからない。

 

こうして書き続けることで、学んでいきたい。

 

 

 

 

【教師の仕事術】令和元年度の振り返り【新年度に向けての準備】

今日で令和元年度が終わる。

 

この1年間を振り返りたい。

 

①教務主任2年目になった。

 

仕事の見通しが生まれ、余裕を持って仕事ができた。

自分一人でやるのではなく、同僚を巻き込むことができた。

 

次年度は同じ部署の人が新しい方になる。

そして、引き継ぎのこともある。

 

教務主任3年目は、次の人が仕事をしやすくなるように

記録をしっかり残していきたい。

 

②授業にしっかりと向き合えた。

 

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて、実践を重ねた。

 

しかし、それだけではいけない。

「数学的な見方・考え方」をもっと伸ばせるようにしたい。

 

【「見方・考え方」を鍛えるための授業デザイン】

①「なぜ~なのか」と「わからなさ」を表現することで,「見通し」を持ち「本質」を捉える。

②自己決定により,「自分事(self-involvement)」とし「思考のベクトル(方向性)」を定める。

③自分事になることで,「ギャップ(え?なんでなん?)」と向き合う。

④「ギャップ」と向き合うことで,思考の「振り返り」を行う。

 

【「見方・考え方」を鍛えるための教師の指導】

❶生徒に預けることで,授業の中心を「思考の過程(わからなさ)」とする。

❷生徒が対話する対象(他者,教科書,数式など)を用意し,自己決定ができるようにする。

❸多様な考え方が生まれるように,授業の展開や課題を工夫する。

❹本時のゴールを示し,最後に「出力」の場を設定する。

 

このように授業を展開する。

 

③「発信(出力)」の楽しさを実感した。

 

幸せなことに、今年度2回、自分の書いたものが雑誌に載った。

また、2つほど論文で表彰をもらった。

 

研究会やセミナーでの実践発表を5回行った。

 

自分の考えや授業の実践を「発信(出力)」することで、

新たに見えるものがあった。

 

刺激的な「発信(出力)」はトリガーとなり、意欲を引き出す。

そのことがわかってから、発信することがやみつきになっている。

 

もっと発信をしたい。

次年度は早速3つほどの執筆の機会がある。

 

いつかは連載や本も書いてみたいと思うようになった。

その日に向けて「発信力」を高めたい。

 

次年度もがんばろう。